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  1. 骨粗鬆症

疾患情報

骨粗鬆症

骨粗しょう症とは

骨の強度や密度が低下してしまい、骨の中がスカスカになってもろくなる病気を骨粗しょう症といいます。古代エジプトのミイラからも骨粗しょう症は発見されており、決して新しい病気でも珍しい病気でもありません。骨粗しょう症になると、骨がもろくなっているため様々な部位を骨折する危険性が大きくなります。進行した骨粗しょう症になると、くしゃみをしただけで骨折したという例もあります。 骨粗しょう症になる人の割合は女性に多く、50歳以上の3人に1人は骨粗しょう症といわれています。骨粗しょう症は加齢とともに発症する可能性が高くなります。更年期以降の女性にとってはとても身近な病気です。骨粗しょう症になると、椎体(背骨)の骨折が起こりやすくなります。それ以外では特に大腿骨骨折が起こりやすく、手首足の付け根、腕の付け根でも起こります。いったん骨折してしまうと、動けない状態が長期間続きし、それが寝たきりの原因になります。寝たきりになった原因として骨折・転倒が上位に挙がってきますが、骨粗しょう症を患った方がここに入ってくることが多いようで、高齢社会を迎えた現代が抱える1つの社会問題になりつつあります。

 

 

骨粗しょう症の原因

骨は硬いので一度作られると変化しないように思われますが、実際は常に破壊と再生を繰り返しています。骨を壊す「骨吸収」と、骨をつくる「骨形成」が常時行われ、常に新しい骨につくり替えられています。その作業の中でも女性ホルモンには、このつくり替えのバランスを保つ働きがあるといわれています。女性は、閉経すると女性ホルモンの分泌量が低下します。女性ホルモンが減って バランスを保つ機能がしっかり働かなくなると、骨の代謝のバランスが崩れ、骨形成のスピードより骨吸収のスピードが上回って、骨密度が低下します。骨密度が低くなって骨の強度が低下した状態が骨粗しょう症です。 一方で、男性は、女性ホルモンと関係する部分が少ないため骨密度の減少が緩やかです。

 

 

骨粗しょう症の症状

骨粗鬆症は初期の頃はほとんど症状がないため、気づかない間にじわじわと進行する病気です。骨粗鬆症が疑われる症状としては以下のようなものがあります。

・若い時より身長が2㎝以上縮んだ ・背骨や腰が曲がっている ・背中や腰が痛む などが挙げられます。

 

 

骨粗しょう症の診断

様々な検査を組み合わせて行われます。

 

1、問診・診察 現状を問診や観察で把握します。

2、レントゲン検査 骨の状態を観察します。

3、血液・尿検査 骨代謝マーカーでどれくらい骨がつくられたり、壊されたりしているかを調べます。

4、骨量検査 腰椎や大腿骨の骨の密度を調べます。

5、MRI・CT検査 骨折の有無や脊髄の圧迫状態、その他の疾患との鑑別のために使用します。

6、骨シンチグラフィー 最近、骨シンチという名称でよく聞くようになった検査法です。 放射性の薬品を注射し、全身に広がった(2時間から3時間)ところで撮影を行う機械です。がんが骨転移しているか判断するために使われることが多いですが、骨の変性がない骨折などを早期に発見できるため、骨粗しょう症の診断でも使われるようになってきています。

 

 

骨粗しょう症の治療方法

骨折は、日常動作(ADL)やQOL(生活の質)を大きく低下させます。また、要介護や寝たきりになる原因にもなります。骨粗しょう症治療の最大の目的は、骨折を予防することです。骨粗しょう症の診断は、問診、身体検査、血液・尿検査、レントゲン、骨密度検査など、さまざまな診断結果をみて判断します。 特に椎体骨折の症状がみられる場合は、骨粗しょう症を疑います。 骨粗しょう症の治療には、食事療法、運動療法、といった生活習慣の改善と薬物療法を組み合わせて行われることが一般的で、すべてが重要な治療方法になります。

 

食事療法・・・骨を強くするために、栄養バランスの良い食事を心がけます。

運動療法・・・骨密度を増加させたり筋力を増加させることが期待できます。

薬物療法・・・骨折リスクを低下させるさまざまな薬があります。

 

これらの治療法は即効性がないため早期に始め、しっかり継続することが骨粗しょう症改善につながります。

 

【食事療法】 特に、骨の強化に欠かせないカルシウム、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、骨を作るのに重要なビタミンK、それ以外にも野菜や果物、タンパク質などをバランスよく摂ることが大切です。

 

【運動療法】 運動による適度な刺激により、骨密度は増加します。また、バランス運動やストレッチなどで筋力をつければ骨折の原因である転倒予防にもつながります。

 

【薬物療法】 骨粗しょう症の薬には、骨吸収を抑制する薬と骨形成を促進する薬の2種類あります。骨粗しょう症の程度に合わせて決められた量の薬を服用しないと骨折防止効果がありません。また、薬を飲むのを途中で止めてしまうと、症状の悪化を助長します。医師・薬剤師の指導に従い、継続的に服用することを心掛けなければいけません。

 

 

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