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  1. 前立腺がん

疾患情報

前立腺がん

前立腺とは

前立腺は男性特有の臓器で、精液の一部を作っています。大きさはクルミほどで、膀胱の下にあり、尿道を取り囲むように存在しています。また、直腸と隣接しているため、発症すると排便や排尿機能に影響を及ぼしやすいです。

 

 

前立腺がんとは

前立腺がんは、アメリカでは罹患者数が1位、死亡者も2位ともっとも多いがんのひとつです。日本においては、罹患者数は増加傾向にありつつも、治療成績は高いため死亡率はそれほど高くなく、全体のがん罹患者のうち死亡率は5%ほどです。増加の要因としては、加齢に伴う要因が大きいので平均寿命が延びていることが前立腺がん患者数の増加要因の1つですが、検査精度があがり早期のがん発見数が伸びているからとも言われています。発症は60歳ぐらいから急増し、加齢に伴って発症率も増加します。また骨盤のリンパ節や骨に転移しやすいがんです。

 

 

発生要因

前立腺がんの発生要因としては、飲酒、喫煙、食の欧米化に伴う高たんぱく・高脂質の過剰摂取、加齢と言われます。

 

 

症状

初期症状はほとんどありません。

 

検査・診断

前立腺がんの検査は主に、血液検査、触診、画像診断、組織検査に分けられます。

【血液検査】
●腫瘍マーカー
PSAの測定が有用です。画像診断や組織診断を行うかどうかの判断をしたり、治療効果の測定などができます。

 

【触診】
古くからおこなわれている診断方法です。前立腺は直腸と隣接していますので、直腸を触診します。

 

【画像診断】
●MRI
近年急速に進化している検査方法で、ある程度の精度で前立腺がんを発見できます。

【組織診断】
局所麻酔(腰椎麻酔)、や全身麻酔を行い、エコーで見ながら組織を採取します。採取した組織を顕微鏡で観察し、がんの有無やがんの悪性度を判断します。

 

 

治療方法

外科的治療(手術)

前立腺がんに対して手術を行う場合は、ほかのがんとは違い基本的に部分切除ではなく、前立腺全摘除術になります。小さな臓器なので部分的に切除するのが難しいことと、全摘出しても命に関わりがないということが理由として挙げられます。一般的には周囲のリンパ節も予防的に摘出します。

今後はロボット支援下内視鏡手術が増えていきます。

 

放射線療法

●放射線療法
多くの場合、ホルモン療法と並行して行われます。一般的ながんとどうような治療方法もありますが、前立腺がんの場合、小線源療法という独特の方法があります。放射線を出す物質を小さなカプセル状のものにつめ、前立腺の中に入れて、体内から照射する方法です。病変した組織の近くに留置できるため非常に高い線量を照射することができます。また重粒子線による治療も行うことができます。

 

内分泌療法(ホルモン療法)

【内分泌療法】
前立腺がんは男性ホルモンで病気が進行する性質があるため、ホルモンの分泌、働きを抑制する薬によって前立腺がんの進行を抑える方法です。

 

化学療法

【抗がん剤】
内分泌療法で効果が効かなくなった場合に行われます。前立腺がんの抗がん剤治療の場合、がんの根治をめざすわけではなくがんの増殖や痛みを抑える消極的治療方法になります。

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