スタッフブログ
スタッフブログ 2018.08.04
「慢性疼痛」について
この度の西日本豪雨により被害を受けられました皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
また被災地で懸命な救助を行ない、尽力しておられる方々に深く敬意を表します。
一日も早い復旧を心よりお祈りいたします。
いつも結城病院スタッフブログを読んでいただいて、ありがとうございます。
今日はリハビリスタッフのブログをご紹介しましょう。
「慢性疼痛」についてです。
「慢性疼痛」とは、国際疼痛学会(IASP)で「治療に要すると期待される時間の枠を超えて持続する痛み、あるいは進行性の非がん性疼痛に基づく痛み」と定義されています。
持続する痛みとは、現在では薬物療法の充実などにより3ヵ月以上と考えられることが多いようです。
今回、慢性疼痛の分類、症状・徴候などについては話が複雑になってしまうため割愛させていただきますが、痛みが難治化、重症化する要因として「不動化」や「廃用」などが挙げられています。
簡単に説明すると「何らかの原因により痛みがある」→「痛いから動かない」→「筋力低下などの機能障害が起きる」→「日常生活動作の低下」→「さらに痛みが増す」というような痛みの悪循環の発生です。
この悪循環に陥ってしまうと抜け出すことがなかなか大変です。
近年では、運動療法の有効性が報告されています。
一方、運動の種類による効果の差については、明らかではないとも言われています。
一般的な運動療法というと有酸素運動、筋力増強運動、ストレッチング等が挙げられます。
しかし、これを読んでいただいている方の中にも「この暑い中で運動?」と思われる方も多いのではないでしょうか。
今年は、「命に危険を及ぼすレベルで、災害と認識している」と気象庁が表明するほどの猛暑が続いております。
そこで私がおすすめしたいのが、「筋膜リリース」という方法です。
「筋膜リリース」は首都大学東京の竹井仁教授(理学療法士・医学博士)が提唱されている方法です。
多くの著書やテレビ出演もされているので、ご存知の方も多いとは思いますが、「筋膜リリース」であれば涼しい屋内で実施可能で短時間で行えますので一般的な運動療法よりも簡単に行えるのでないかと考えます。詳しい方法については、竹井仁先生の著書をご覧ください。
※注意点として、原因不明の長引く痛みがある場合は、自己判断で行わないようにしてください。
まずは、医療機関の受診をお勧めします。
当院では、竹井先生の「筋膜リリース」講習会に参加したスタッフがおりますが、実際の患者さんの場合は、理学療法士などによる施術を行ってから、その効果を持続するために患者さんに自身で行う方法を指導しております。
また、リハビリテーションは、医師の指示に基づき実施しております。
リハビリテーションの対象となる疾患には条件がございますので、病院にご相談ください。
結城病院 ☎0296-33-4161