もの忘れには加齢によるものと、病的認知症の初期段階とがあります。それぞれ、医師による早期の診断が重要となります。結城病院の「もの忘れ外来」では、日常の「ちょっとしたもの忘れ」が「加齢によるものか」「病的な認知症によるものか」どうかを診断いたします。
●初診は一般外来で受付いたしますので、総合受付までお気軽にご相談ください。
平成 29 年 3 月施行の改正道路交通法により、運転免許更新時や一定の交通違反を行った際に警察で行う簡易 の認知機能検査の結果、「第 1 分類」(認知症の疑いあり)となった 75 歳以上の高齢者は、公安委員会の指示 により、認知機能に運転上問題がないかどうかの検査・診断を受けることを求められるようになっています。
●当院では改正道路交通法に基づく認知機能検査・認知機能診断、認知症高齢者の運転免許更新に関する診断書作成を行っています。お気軽にご相談ください。
「認知症」とはアルツハイマー型認知症をはじめ多くの疾患の総称です。一般的に認知症の初期の段階での鑑別診断は非常に難しく、また類似した症状を示す多くの疾患との鑑別を行うためには専門的は知識を要します。このことから、物忘れ外来でかかりつけ医の皆様との連携を強化し、当院の認知症専門医・神経内科専門医が鑑別診断を行い、その後かかりつけ医の皆様のところでこれまで通り継続して治療を行って頂けるようお願いしております。
患者様やご家族様からお話を伺うことはとても大切ですが、認知症の場合、脳梗塞の有無や萎縮の程度、さらには臨床像を客観的に把握することも診断の際に重要です。
そのため、脳の画像(MRI)や臨床検査(神経心理検査)を実施しております。
MRIは、所用時間約30分程です。予約は込み合っており、予約時間に遅れると検査ができないことがありますので、予約時間の30分ほど前に窓口にお越しください。
神経心理検査は、所用時間が人によって異なりますが、大体30分程かかることが多いようです。
ぜひ、患者様をよく知るご家族と一緒にいらっしゃってください。
また、MRI同様、予約時間に遅れると検査ができませんので、予約時間の5分前までに窓口にお越しください。
・何度も同じことを言ったり、同じことを聞いたりする。
・約束した日時を忘れてしまう。または、約束したことそのものを忘れてしまう。
・最近の出来事を思い出せない(食事をとったかどうか覚えていないなど)。
・物をなくしたり、置き忘れたりする。
・ガス栓の締め忘れ、水道の出しっぱなしが目立つようになった。
・「身の回の物の名前」が思い出せなくなった。
・時間や場所の感覚が不確かになった(今日は何日か、今、何時か分からない)。
・慣れているところで道に迷った。
・今まで好きだったコトに対して興味や関心がなくなった。
・服装や身だしなみに気をつけなくなった。
・普段行っていた日課をしなくなった。
・今まで出来ていた動作や作業がこなせなくなった。
・簡単な計算の間違いをする。
・ささいなことでも怒りっぽくなった。
・以前よりもひどく疑い深くなった。
加齢による物忘れと認知症の違い
種類 | 加齢などによるもの忘れ | 認知症のもの忘れ |
---|---|---|
記憶 | ・体験の一部を忘れる ・食事に何を食べたか忘れてしまう |
・体験全体を忘れる ・食べたこと自体を忘れてしまう |
見当職 (けんとうしき) |
・人の名前が出てこない ・場所はわかる ・月日はわかる |
・人の顔を忘れてしまう ・場所がわからない ・月日が分からない |
判断力 | ・判断はできる | ・判断はできない |
進行性 | ・進行はしない | ・ゆっくりだが進行する |
人は加齢によって「もの忘れ」が増えてきます。たとえば、加齢による「もの忘れ」は「夕飯を食べた事は覚えているが、何を食べたのか思い出せない」。それに対して、認知症は「食べた事そのものを思い出せない」といった違いがあります。このため、認知症の方はご飯を食べたばかりでも「ご飯はまだ?」と言ったりする症状があります。
病気による「もの忘れ」であっても、早期発見や適切な治療を行うことによって回復することもあります。また、治療の方法が無いとされてきたアルツハイマー病などでも適切な薬物選択や生活指導を行うことで症状の改善が期待できます。
当院では「もの忘れ」を早く発見し、適切な治療につなげられるように、神経学的検査、神経心理検査、画像検査などを用いて、総合的に診断を行います。
認知症はその原因からいくつかの種類にわけることができます。その中でも最も多いのは、アルツハイマー型認知症で、全体の多くを占めています。
*治る認知症もあり医学的な対応ができます。
*アルツハイマー型認知症ではお薬を用いて進行を遅らせることができます。
*早い時期に家族の方が認知症の症状の理解をして対処法を身につけることができ、生活上のトラブルを減らすことができます。症状が進行した時の対応をあらかじめ考えておくことができ、生活上のトラブルを減らすことができます(後見人などについても考えておくことができます)。
*専門家に相談することで、認知症やサービスについての正しい知識を得られるため、ゆとりを持って対応することができます。
日本認知症学会 認定認知症専門医
日本神経学会 神経内科専門医
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