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  1. 登るということ

スタッフブログ

スタッフブログ 2023.07.12
登るということ

 いつもスタッフブログをお読みいただきありがとうございます。

 

 ボルダリングという競技をご存じだろうか。現在は、正式にはボルダーという呼称に変わって久しい。クライミング(自分の手足を使って何かしらによじ登る行為)の一種で、最低限の道具(シューズとチョーク)のみを用い、人工の壁を登るスポーツのことである。
 私と娘がボルダーを始めたのは約1年半前。5歳になった娘が保育園のお昼寝で回復したエネルギーを発散させる場所がなく、困り果てていた時に出会ったのがボルダーだった。保育園から帰宅後の活動というと、公園遊びや習い事がまず候補に挙がるが、当時の私は仕事の後となると17時前にお迎えに行ってあげることは難しく、外は真っ暗で公園遊びは危ない時間。習い事も殆どが16時台に開始のものばかりで通わせることが出来ず、ただただ有り余ったパワーを大放出させながら泣きぐずり寝落ちる娘(前回ブログ『眠れぬ夜のひとりごと』参照)を眺め、申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら私も寝落ちるという日々を送っていた。叔母に『ボルダリングジムっていうのが、車で10分くらいのところにあるらしいよ』と言われたことをきっかけに訪れたジムは、平日は14時から22時、休日は11時から21時まで営業、時間内であれば自分の登りたい日の好きな時間帯に行き、月会員になれば好きなだけ登ることが出来るというシステムで、当時の私には救世主のように思えた。きっと、やり場のない思いを抱えていた娘にとってもそうだったと思う。

 

 ボルダリングジムにはいろんな人がいた。我々のように親子で登る人はもちろん、友人のグループで訪れる人もいれば、仕事終わりに一人で来る男性や女性、恋人同士、その年齢は幅広く、未就学児から壮年期の人達が、みんな一つの目標(ホールド)に向かってただひたすらに登っていた。気が付けば週3回以上通うほどボルダー沼にハマった娘は、本当によく眠るようになった。眠る直前までボルダーの話をし、ボルダーの夢を見て、学校終わりにはまたボルダーへ行く。先日は小さな大会にも出場し、賞状をもらって帰ってきた。決して特別な才能があるわけではないし、ジムに行っても登りもそこそこにオーナーさんや常連の皆さんと喋ってばかりの日もある。それでも、毎日泣いてばかりいた娘に、お迎えに行って開口一番『今日、ジム行ける?!』と、嬉々として言えることができただけで、私にとっては本当に幸せなことだと思うのだ。

 

 そんな娘も今年で小学生になり、いろんなことに興味を持つようになった。このまま毎日のように通い続けるのかもしれないし、ボルダーが一番じゃなくなる日が来るのかもしれない。どんな形の未来が待っていても、一番てっぺんにそびえるホールドを掴んだ瞬間湧き上がるあの気持ちを、登ることでたくさんの人達と喜びを共有した時間を、一生忘れないでいて欲しい。

 

 長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

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