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  1. 作業療法で活動を分析すること

スタッフブログ

スタッフブログ 2025.03.05
作業療法で活動を分析すること

 いつもスタッフブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 

「ペットボトルが開けられない」
「お風呂で背中が洗えない」
「包丁で根菜が切れない」

 

 外来リハビリで手や肩の怪我をされた方からは、いろんな生活上の困りごとが寄せられます。もちろん手が不自由なことがその悩みを引き起こしている要因なのですが、もうひとつの要因として「もともと無意識でやっていたこと」ということが挙げられます。つまり無意識のあまり、そのやり方を正確に思い出せないのです。
 作業療法では活動分析という視点があります。ひとが専ら行っている行為を細かく分析して、その無意識を意識化できるよう工程化していきます。

 

 例えば、手が不自由になった方がペットボトルを開けようとするとき、よく太ももでボトルを挟んで固定し、健康な手でキャップを回転させていることがあります。しかしひとがペットボトルを開閉するとき、本来回転させているのはボトル本体とキャップの両方です。両手で双方をつかみ、雑巾を絞るような動きでキャップを開けています。患者さんにとってどの工程に難渋さがあるかを知り、必要であれば自助具を提供します。コースター大のすべり止めマットを使うことで、悩みが解決することもあります。

 

 お風呂で背中を洗う場合、多くの人は頭の上からタオルを背中へ回す動きをしています。しかし肩関節に痛みがある人は、腱板に負荷がかかるこの動作で痛みが増強し、背中が洗えないから家族に手伝ってもらうという場合があります。そんなときは始めに腰にタオルを当ててから、片方の手を引き上げることで十分洗体は可能になります。

 

 包丁で人参などの根菜が切れないという悩みには、「小指で包丁を握ること」をお勧めしています。手が不自由になると、自分がこれまでどのように包丁を握っていたか思い出せなくなり、親指と人差し指で一生懸命グリップされている方が少なくありません。しかし本来は小指薬指で柄を握り、人差し指は刃の背に沿わせており、グリップには参加していません。作業療法では実際にこの握り方で切る作業を体験してもらい、「できた」と実感していただくこともあります。

 

 これからも当院の作業療法では、ひとの「できた」に寄り添っていきたいと思います。

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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