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スタッフブログ 2022.07.06
送り火
いつも結城病院のブログをお読みいただきありがとうございます。
皆様は送り火というものをご存知でしょうか。送り火は家庭の玄関先やお庭などでお盆の終わりに行われるのが通常ですが、京都では山に火をつけるという大々的な送り火を行います。その炎で、お精霊(しょらい)さんと呼ばれる死者の霊をあの世へ送り届けるとされています。
京都の夏の夜、毎年8月16日に「大文字」「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」の順に5つの山で送り火が焚かれます。20時から5分間隔で点火され、それぞれ30分程見ることができます。
よくテレビなどで「大」という字を見ますが、この大文字「大」だけではなく合計5種類あるので、正確には「大文字五山送り火」というのです。京都では「送り火」や「大文字さん」と呼ばれています。五山の送り火はとても厳粛な宗教儀礼です。「大文字焼き」などと言った際には京都の方の逆鱗に触れます。私も、大文字焼きと言っていました。京都の方に怒られてしまいますね。
2020年、2021年の五山送り火はコロナ禍の影響を受け、大幅に規模を縮小して行われました。しかし、京都五山送り火連合会は2022年6月28日、今夏は3年ぶりに全面点火する、と正式に発表しました。
ところで、大文字送り火はどうして周りの山は燃えないのか、不思議に思いませんか。大文字送り火は、山の木を燃やしているのではなく、火床(ひどこ)と呼ばれる聖火台のようなものを、点々と置いて形にし、その中で火を燃やしています。だから周りが燃えることはないのです。
機会がありましたら、ゆっくりと火が灯って字がかたどられ、やがてゆっくりと消えていく厳かで美しい姿を鑑賞しに行きませんか。もちろん、コロナ対策に気をつけて、密集を避けて鑑賞したいものです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。